はいっ坊主

坊主が気まぐれに日々のご縁をしるします

「1+1」はいくつ?

一見簡単そうな計算の問題です。

「1+1」はいくつですか?

「-1-1」はいくつですか?

 

 

 多くの人は、「1+1=2」、「-1-1=-2」とお答えになるでしょう。

それは、今現在の学校の算数や数学の答えとしては正解かもしれません。

出題者の意図と、回答者の意図が一致していますからね。

しかし、

「いついかなる場合にも、この計算式は成立しますか?」

と聞かれたら、あなたはどう答えますか?

 

この式の「1」とは何ですか?

面積ですか?質量ですか?個体数ですか?etc・・・・

 例を出してみましょう。

卵を2つ使って卵焼きを1つ作りました。

卵の個数で考えれば1+1=あれれ?

「2個分じゃないか?」

と考えた方、殻が減る分はどうしますか?

重さで考えれば・・・

やはり同じです。

卵が全く同じ重さとは限りませんし、殻や殻に少しのこった白身。

油や味付けにつかった塩などの兼ね合いもでてきます。

このお話を「屁理屈だ」と片付けるのは簡単です。

私自身が、屁理屈とも取れる事など百も承知で書いておりますからね。

では、同じ料理の世界でこんな事を言われます。

昆布の出汁と、鰹の出汁が合わさると、その美味さは2倍どころか何十倍にもなる。

屁理屈だと思う方は、このことを計算式で表してみてください。

算数や数学というのは、あくまでも、分かり易い概念を定義して、初めて成立するものでしかありません。

 

「-1-1」についても考えてみましょう。

-1ってそもそも何ですか?

負という概念がいついかなるときにも成立するならよいですが、これもまた成立はしません。

マイナスというものの説明を、私たちはまず上手くできません。

桃太郎電鉄なんてゲームがあります。

サイコロを振って目的地を目指す双六ゲームですが、目的地にぴったり到着できないと、通り過ぎてしまいます。

これは足し算?引き算?

では、それを仮に引き算としましょう。

またオーバーしてしまって、逆側にきたらこれは足し算ですね?

では、目的地で別の方向に通り過ぎたらこれは何算ですか?

つまり、マイナスをベクトルだと考えるのであれば、では、マイナスでもプラスではない方向のベクトルはどうやって表しましょうか?

この矛盾を解消するべく、直線上にのみ成立しうるベクトルだとしましょうか。

この時点で桃太郎電鉄のいくつもの駅の存在を否定してしまいますが・・・。

それを見逃したとして・・・

畑に植えた大根を、成長のために間引きます。

結果、より大きな大根を得ます。

大根にしてみれば、より大きなスペースを得ます。

間引いた大根は漬物にするなどして決して間引いた瞬間に消滅はしません。

さぁ直線上のベクトルで説明してみてください。

時間経過や成長という概念は反則ですか?

私に言わせれば、そんな瞬間のがんじがらめの条件でしか成立しない事をもって

「数学とはなんぞや」問答していることのほうがよほど滑稽です。

成立するものには成立するが、しないものも当然ある。

これが現実でしょう。

 

 世の中にある様々な事柄は、常に複雑です。

算数がいついかなる場合にも通用しているわけではないことを

皆さんは充分経験されているはずです。

しかし、それでも私たちは「算数」をとても大事にします。

わからない子がいたら、分からせようと躍起になります。

みなさんの中には、この算数のように

いつの間にやら絶対的な存在として崇められてしまっているもの

他にはありませんか?

「カレーの具は大きく切るに限る」

「この仕事をこなすにはまずこの書類から」

「野菜は体にいい」

「塩分は敵」

「どこそこの店は・・・」

「○○さんは・・・」

などなど・・・

 

もう一度問いましょう。

「1+1」はいくつですか?